遠野和紙とは

福島県いわき市遠野町で育った国産の楮(こうぞ)と、トロロアオイを使って、手漉きで作られた和紙のことです。

500年以上の伝統があり、明治20年ごろには約600戸が生産に従事していました。

しかし、洋紙の普及による和紙需要の低下により、昭和40年代には瀬谷家1軒のみとなり、平成22年には廃業してしまいました。

現在、地域のボランティアの方々、遠野支所、地域おこし協力隊の協力のもと、存続を図るべく活動しています。

遠野和紙の作り方

「紙漉き」の部分がよく取り上げられる和紙作りですが、原料生産から和紙ができるまでの工程をまとめました。

遠野和紙は、たくさんの工程を経て作られています。

畑作業(4月~1月)

4月~10月

間引き、芽欠き、下草刈りを行います。

11月~1月

楮の刈り取りを行います。

紙料づくり

蒸煮

窯にて楮を煮ます。

皮むき

蒸した楮を芯と黒皮にわけます。

黒皮乾燥

黒皮を天日干しします。

表皮取り

黒皮を剥いで白皮を残します。

白皮煮沸

窯にてソーダ灰を使用し白皮を煮ます。

塵取り

白皮に残った塵を取り除きます。

叩解・ビーター掛け

木の棒で楮を叩いて解していきます。

紙漉き

紙漉き

船に楮とネリを入れ簀桁という道具で紙を漉きます。

圧搾

漉いた紙の水分をジャッキなどで絞ります。

乾燥

天日干しや乾燥機を使用し、紙を乾かします。

プロフィール

平山 祐・綾子

2018年、神奈川県よりいわき市遠野町に移住。

地域おこし協力隊制度を活用し和紙継承事業に従事。

2021年5月より『遠野紙子屋』オープン。

遠野和紙は500年以上の歴史があり、現在は和紙の存続と継承のため、地域の和紙団体の方達とともに活動しています。
原材料は、いわき市遠野町で栽培·収穫を行った楮とトロロアオイです。